もう一度上の階に戻ってきた。 まだ強風は吹き続いている。 「宮城島さぁん!」 しかし強風の音が大きすぎて彼女には聞こえないみたいだ。 「真子よく耳を澄ませ!」 梓に言われたとおり真子は目をつぶった。 風のビュービューという音が耳に伝わる。 『私変ワリタイ』 風の中から声が聞こえた。 『私チャントシタ女ノ子に ナリタカッタ。デモ 周リニ変ナ目デ見ラレルノガ 怖イ』 その声ははっきりと真子に伝わった。 「梓さん!聞こえました!」 「本当か!何て言ったのだ?」 真子はすべてを話した。