でもそんなことできない。
あの時はとっさのことだからすぐにできたけど…。
「やっぱり私には無理です!」
「大丈夫だ。
とにかく御主は悪霊所持者の
本当の気持ちを聞け。
そうするだけだ。」
「でも…」
「真子ならできる。
私は御主を信じているからな」
梓は真子の両手をギュッと握った。
すごく温かい。
梓の手の温もりが伝わってくる。
すると真子の心が落ち着いた。
あ、落ち着くことってこんなに凄いことなんだなと思った。
所有者もきっとそれを望んでいるのだろう。
次第に真子にやる気が出てきた。
「わかりました!頑張ります!」



