数日後、本格的な練習が始まった。
ある日のこと。
教室に忘れ物をしたことに気づいた。
真子は急いで教室に戻った。
教室内に誰かが残っていた。
何と宮城島だった。
王子役の宮城島は懸命に剣さばきの練習をしていた。
「宮城島さん剣の扱い上手いですね」
「吉川さん!
…私ね昔から何でも王子役とかやってたから、こういうのはもう慣れちゃってるの」
剣を振り落す姿もなんだかカッコいい。
女の子なのに女子から注目される理由が何となく分かる。
「…あ!もうこんな時間だ!
吉川さん私帰るね」
宮城島はすぐに教室から出て行った。



