「御主、やっぱり不思議なやつだ」 転校生は真子にハンカチを渡してあげた。 「ありがとうございます、冴橋さん!」 「せっかく御主といることになるから堅苦しい言い方はするな。 ”梓”と呼べ」 「えっ!?」 実は真子は人を下の名前で呼んだことがない。 いきなり呼べと言われると、なかなか言えない。 「あ…あ…梓さん」 すると梓は真子を見て微笑んだ。 梓の笑った顔は初めて見た。 なんか新鮮な感じがする。