「ところで真子」 梓は真子に質問した。 「何故 三倉のことを知っていたのだ?」 「いえ、教えてもらったんです。 男性に」 「男性?」 「よくわからないんですけど、どこからか立派な男性の声がしたんです」 「私にはそんなの全く聞こえなかったぞ」 どうやらあの声が聞こえていたのは真子だけだったようだ。 幻だったのか。 でも今でも覚えている。