真子は男性の言うとおり、今聞いたことを美紅に話した。
「美紅さん聞いてください。
美紅さんが死んだあとの話を…」
男性から聞いた話はこうだ。
美紅が死んだ後、誰よりも悲しかったのは三倉蓮だった。
彼はやっぱり彼女を助けてやれなかったんだと思い、美紅と同じように、屋上から飛び降り自殺をしようとした。
しかし彼は足を止めた。
本当にそれでいいのか。
美紅と同じく、こんな終わり方をしていいのか。
だから彼は思った。
こんなことでは駄目だ、美紅の分まで頑張って生きていこうと。
友達も失い毎日毎日つまらなかった。
それでも彼は頑張って生き続けた。
そのおかげで大学生になれた。
ずっと彼女のために、ずっと頑張ってきたのだ。
「何故三倉さんがそこまで頑張ったのか分かりますか?
美紅さんのことが好きだったからです」



