チョコレート、いつ渡そう。
ていうか、勉強なんてしてないや。
テストはないはず…。

窓の外の風景は、ゆっくりとうつりかわる

「今日、英語の小テストだもんね。」
「うん……っえ?」
「それで勉強してたんじゃないの?」

ちがうの?って琉が聞いてくる。

ちがうよ。
なんて言えないけどさ。

「数学だと、思ってたよー。」

必死に誤魔化すけど、学校に行けば琉はモテるから
チョコレートをあげる女子なんてたくさんいるじゃん。
なんて、あたしは気づいていなかった。

昇降口から、それはもうバレンタイン一色

「琉くーん!もらってー!!」

学校につき教室に入った途端、琉のまわりにはたくさんの女の子。
琉の机には

「にじゅう、にじゅういち…」

たくさんのチョコレート。

30個とかあるな、あれは。
他の学年からもあるはずだし。

斜め前にいる琉に目をむける。
何人もの女の子に囲まれて困っているみたい。

それをみて、ヤキモチを妬かないはずがない。

あー、もう…。

外ではチラチラと雪が舞う