―オ オ カ ミ 。

ヤギと狼って何かの話で会ったよなー、
等とまたもや小説内では禁句である
事を呑気に思いつつ、また
「どうされました?」
と笑顔で訊ねる赤ヤギさん。
その笑顔には、恐怖など
全くありませんでした。
…恐るべし、赤ヤギさん……!!

「この手紙、届けて下さーい。」
どこか間延びした声に、
赤ヤギさんは納得しました。
何故なら、この狼さんは
白狼と言う(勿論外見は茶色ですが)、
心が真っ白で優しい狼さんなのです。
「分かりました。」
赤ヤギさんが笑顔で言うと、
白狼さんは安心したように笑って、
「気をつけてくださいね。」
と言いました。
何に気をつけるのだろう?と
思いつつも、赤ヤギさんは
送り届けるべく送り先を見ました。