靴を履いて一度あたしを向いてから笑顔で言った。
「明日は朝行けないかもしれないから、今日のシチュー温めて食べてね」
どうやら朝は来ないつもりで作り置きしやすいシチューにしたらしい。
こういう所もあたしよりも出来てる気がして
すごくムカつく。
でも..
「ね、ねぇ」
ドアノブに手をかけようとして龍平さんの背中に話しかける。
「どうしたの?」
「あの..気を付けてよ」
精一杯の勇気を振り絞って出た言葉は
あまりにも可愛げのないセリフ。
でもこれで十分。
一瞬驚いた顔を見せてから満面の笑みになる。
そして
「優芽さんはやっぱり優しいね」
ドアから離れて
ぽんっと頭に手を置く。
「ちょ、ちょっと!!子供扱いしないでよ!」


