どれくらい経ったか分からない。 空は少しずつ暗くなってきて。 もうお客さんは誰もいないみたいで。 閉園の音楽が流れている。 それでも龍平さんはあたしを抱きしめたまま、話を始めた。 「俺は、大事な人を死なせてしまったんだ」 知ってる、とは言わずに黙って龍平さんの声に耳を傾ける。 「その人は、俺の憧れていた人で。大事な先輩の奥さんだった」 「え?」 「初恋だったんだ」