あたしと那由菜ちゃんが見つめ合ってどれくらい時間が経ったんだろう。


気が付くとチャイムが鳴り響いてみんなが席に着く音が聞こえてくる。



「先生、来るね」


「あ、うん」


「じゃあ戻るね」


「うん」


那由菜ちゃんは何でもないような顔に戻って席に向かって歩き出した。



こ、怖かった。


いつもニコニコして笑顔で。


優しくて、ちょっと放っておけないような子だったのに。



あんな顔も――――するんだ。



それと龍平さんの事も知っていた。


彼が警察官という事も。



そして多分

これはあたしが思うにだけれど。