「ま、待ちなさ~~~い!!」
一体どれくらい走ってるんだろう?
取り敢えず、距離はそれほど離れてないと思うけど
でもこれ以上近付くことなんてとてもじゃないけど出来ない。
もっと足が速ければよかったのに。
「どいてどいてどいて!!」
「きゃあ~~~」
「どけよ!!」
あたしとひったくり犯の追いかけっこは続いていて。
曲がり角に差し掛かったその時
行き止まりになった犯人がまっすぐあたしの前に立った。
その手に持っているは包丁。
怖いなんて言ってる暇はない。
この前みたいにならない自信はある。
お父さんが教えてくれた護身術があるもの。
大丈夫、落ち着いて。


