そのとき、グイっと制服の裾を引かれた。 片桐くんが口パクで、 「キ・ス」 と言ったのがわかった。 ええええええええ!? とりあえず、心の中で悲鳴をあげたのは無理もない。 急かすように、また裾が引っ張られる。 「あなた、片桐くんのこと本当に好きなの!?」 あれ、なんだろ。 今、カチンてきた。 胸が熱くなるのを感じた。