一瞬、シーンとしたのも束の間。 「え…?司くん、彼女いないって言ってなかった?」 「最近できたんだ」 あたし今どんな顔してる? 冗談でも、俺の彼女なんて心臓に悪い。 「そ、そんな!あたしの方がずっとずっと司くんを見てきたのに!?」 「ごめん」 表情を崩した荒川さんの視線がこちらに向けられる。 あたしはグッと足に力を入れた。 「ほんとに付き合ってるの…?」 「は、はい」 微かに声が震えた。