ピンポーン。 「はい。荒川です」 大人の女性の声がインターフォンから返ってきた。 「紗栄さんの友達の片桐と申します。紗栄さんは今ご在宅ですか?」 落ち着いた片桐くんの声。 その横顔は透き通っていて、いつまでも見ていたい思うほど美しい。 「いますよ。呼びましょうか?」 「はい。お願いします」 一体、片桐くんは何をするつもりなんだろう。