「そう、マチカ。倉木と同じ名前だったよなーって思ったら、からかいたくなっちゃった」
なんだ、それ・・・
あたし今相当マヌケ面なんだろうな・・・
ぽかーんとするあたしに片桐くんは、
「こいつね、本当はマチカ・ウィルソンていうらしーよ」
そう言ってみかん箱にマジックで殴り書きされた文字を指差した。
「マチカ・ウィルソン・・・?」
なんか益々、状況把握ができないんですけど・・・
「そういう名前なんだって。こいつすげー可愛くない?俺、今こいつに夢中なの」
確かに、確かにすごく可愛い。
まだ子犬みたいだし、白くてフワフワ。
なんていう種類かは知らないが・・・。
「そ、なんだ」
なんていうか唖然。
こんなに片桐くんてひねくれた人だったの・・・?
しかも犬とか好きなんだ・・・
クールなイメージがどんどんひっくり返されていく。
てか、あたしは犬以下ってことだよね。

