「ミカコの家どっち?」 川沿いの道を抜け、小さな公園のあたりにきた。 ここを右に曲がるとあたしの家だ。 そう言えばいいのに頭がボーっとして何も考えられない。 「ミカコ?」 名前を呼ばれて、あたしはなぜかどうしようない気持ちになっていた。 「…倉木はダメだよ」 気がついたらこんなことを口走っていた。 麻知花と口に出した、あのときわずかに切なそうな目をしていた。あたしはそれを見逃せなかった。 つくづくあたしは、最低だ。大好きな倉木を大好きな片桐くんを応援して、やれない…。