ロールキャベツ男子の誘惑。



「気になるんだ?」





え?
片桐くんが足を止めてこっちを見てる。

どうしたの…
また何か企んでる、そんな顔をしている気がする。




「麻知花とはなんもないよ」



「!」


は?
何もないって…決定的じゃないか。

だって倉木を麻知花って呼ぶ人なんて…



「…ミカコ?早くいくよ」

「あ…」


あたしは何も返せなかった。




あまりに今日いろいろなことが起きすぎて、頭がついていかないんだ。

ズキズキと無回転サーブを受けた頭が痛んだ。

それよりも胸が苦しい。