ロールキャベツ男子の誘惑。



真紀ちゃんが不安げに去っていったのを見送り、あたしはベッドから出た。

先生は職員会議らしく、保健室はやけにシーンとしている。


なんだか気味悪いなー。


カーディガンを羽織り、保健室を出るとまた軽く痛みが走った。


「いった…」






「どうかしたの?」

頭を押さえ、下駄箱によりかかっていると低めの涼しげな声がした。

あたしはハッとした。

この声を忘れるはずがない。