俺にとってこの時間は一日の始まりで。

誰かに奪われるなんてありえない、神聖な時間。



彼女は俺なんかに微塵も興味ないだろう。

というか俺の存在を知っているのかどうかすら怪しい。


釣り合わないなんて誰に言われなくても俺が一番わかってるし、縁が無いだろうことも理解してる。



でも、そうわかってたって好きになったのをやめられるわけじゃないだろ?


嫌われたくないんだ。


得意なはずのポーカーフェイスが崩れるくらい好きな君には。



…だから、幻聴かと思った。


俺の耳が都合よく聞き間違えたんじゃないかと本気で思った。




"そんなこと、ないもん"




小さく、本当に小さく彼女の口から紡がれた言葉。