「やっべ!…東吾、急げよ!乗り遅れんぞ!!」


「わーってるっつの!!」




前できゃんきゃん喚きながら走っている友人に、全部お前が寝坊して待ち合わせに遅れたせいだろ!と怒鳴りたくなるのをぐっと我慢して、ホームまで全力でダッシュしている俺・東吾奏芽(トウゴ カナメ)。


と俺の後ろを走る友人二人。



俺はこの電車に乗り遅れるわけにはいかない。


絶対。

何があっても。



─ドアが閉まります。ご注意ください─



そのアナウンスとともに閉まるドアに手をかけ電車へと駆け込んだ俺たち。




「しゃ!セーフ!!」




そう言って事もなげにケラケラと笑う真人(マヒト)に殺意が湧いたのは言うまでもない。


…まぁ、何とか間に合ったからいいけどよ。