毎日使う電車の同じ車両。 小さなその空間で いつも反対側のドアの傍に立っている君。 友達と話す声も メールを打ち返す姿も ばれないようにと横目に見てきた笑顔も。 もう少し傍でそれを見てみたいと思うようになったのはもうずっと前のことだったと思う。 近づきたくて 近付けなくて。 あと少し。 あとほんの少し勇気があったなら。 そんなもどかしい思いを抱えながら今日も君を見つけては小さく胸を高鳴らせるのです。 【七色ライラック】