自販機



「ちょ…!アンタ何勝ってに…」


「裕太だよ?」


「は?」


「アンタじゃなくて、裕太だよ」


「そんなの知らないんだけど…」


「うっ…!」


「え!?どうしたの!?」


「ちょっと…お腹が…」


ギュルルルルル…


あたしの口内には買ったばかりの
ヨーグルトの香りが
漂っていた。


「裕太馬鹿だね」


「あっ…!今裕太って…!!あいたたた…」


「うるさい、はよトイレ行きなさい」


「もっもう1回裕太って…呼ん…痛っ…」
ギュルルルルルゥ…

裏庭に裕太の
腹の音が
響き渡った。


「も、漏れる…」


「馬鹿っ!全力でトイレに走りなさい!!」

「走ったら尚更…」


【END】