先生が転入生の席を決めようとしている。
あたしの右隣は空席だが、くるなくるなという視線を先生に送っていた。あたしの予感は的中し、

｢んじゃぁ高橋の右の席なッ｣

転入生がこっちに向かってくる。
なぜあたしが隣が嫌かって？
決まってるじゃない、こうなる事は予想がついてたからだ…。

｢ねーかっこいいね!｣
｢彼女いるのー？｣
などと､女子が集まってくるからだ。
狭い教室の中で､あつくるしい。
なーんて心の中で思っちゃったりもして。

｢あの…｣
｢はい？｣
｢よろしくね♪｣

そういって手を強くにぎってきた。
笑顔で握手をする。
男と手をにぎるだけでぞくっとする。
あたしの男恐怖症がでてしまうのだ。


休み時間､さっそく転入生の席の周りには人がいっぱいであたしのいる場所もなくなり仕方なく静かに教室をでる。

｢あの!!｣
今度はなんですか！
転入生がこっちに向かって走ってきた。

｢教科書とか､毎時間見せてもらってもいい？｣
そんな事今言わなくてもいいとおもう…。
てか､転入生の右隣の人に見せてもらえばいいのになんであたしなわけ？