「ああ、もう!
 なんであいつらはあんなにトラブルメーカーなんだ!」

バルトも覚悟を決めたようだった。
エリサが飛び出してしまえば隠れるも何もない。

二人はこぶしを突き合わせてから、せーので扉を開いた。

勢いよく飛び出したが海賊たちは見当たらなかった。二人は階段の方へ駆け出す。
その間も誰とも出会わなかった。
さっさとトンズラをこく、そう言っていたのでもうここにはいないのかもしれない。

そう思っていたが、甲板は人の気配がした。

作戦など考える余裕もなくカズアとバルトは顔を出した。

甲板には、エリサと、手足と口を縛られたユナ、十数人の海賊がいた。

この大船のまわりも、幾隻もの海賊船に囲まれていた。絶体絶命。アニメであったなら来週へ続くといった感じか。
逃げ場はない。