船旅二日目の朝。

いつものような小鳥のさえずりは聞こえない。
カモメの鳴き声は聞こえる気がする。

しかしカズアはそれで目を覚ましたわけではない。

つい先ほどバルトが起こしに来たのだ。しかしどうも様子がおかしい。
とりあえず指示通り動力室へ向かった。

なぜか足音が多く聞こえる。

「バルト、どうした?」

「しゃべるな。とりあえずあそこで話すから、黙っててくれ」

二人は急ぎ動力室に到着。
そこにはエリサもいた。
バルトは静かに鍵をかけると、そのまま扉を背に座り込んだ。