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四人になった勇者パーティは、東の洞窟――悪魔の入り口にいた。
エリサはここまでバルトが背負ってきた。
傷は治したが、回復魔法で体力までは全快にできないし、魔法力も尽きているのであれば休んでいるしかないという判断だった。
本人は恥ずかしいと猛反論したが、バルトは問答無用。小さな体をひょいと抱き上げた。
エリサは魔法使いのエキスパート、紋章術士の称号を持っていた。
母ミュールと同じように。
火、水、風、地の四元素を扱い、天を操り雷を呼ぶ。さらには父アレスを継いで聖の魔法も使えた。
実際は火と雷の属性が得意らしく、それを主に使っているようだ。
加えて回復と、バリアなどの補助もできる。
ただ彼女の欠点は、体力が少ないことだ。
あまり重いものも装備できないので、打たれ弱い。



