「エ、エリサ! お前・・・」

バルトはエリサの手をぐっと掴む。
掴める。感触がある。

「痛い、痛いよバルト」

あははと笑うと、エリサは続けた。

「女神様が言ってくれたんだ。
 おれはまだこっちに来る人間ではないって。正しき心を持つ人と、正しき道を歩みなさいって。
 ・・・なに、バルト泣いてるの?」

「あ、あほか、泣いてなんかねえよ!」

慌てて袖で拭うバルトを見て、エリサはふんわり微笑んだ・・・。

「そういうことにしといてあげる」




    -Fin-