一枚の写真。


ひかるちゃんと付き合っていた時に遊園地で撮った写真だ。


ひかるちゃんが元気いっぱい笑顔で写っている。





「榊、いったい何を見てるんだ?」


時々、疲れた時に手帳に挟んであるひかるちゃんの写真を見ると疲れが取れる。


「いえ、何も」


さりげなくまた手帳に挟んで胸のポケットにしまう。


ひかるちゃんに近づくな宣言をされてから、1ヶ月近く経っている。


あれからひかるちゃんには会っていない。

会っていないと言うのは正しくないかもしれない。

毎日のようにひかるちゃんの行動は把握している。

気になることは姿を確かめている。




「そう言えばな、榊」


若が今思いついたように顔を上げた。


「なんでしょう?」


「りおの頼みで妹に護衛をつけることにした」