「榊さんのわからず屋」 「りおさん」 「ひかるの気持ちをまるでわかってない。もういい」 半泣きしながらりおさんが席を立った。 「榊さん、ひかるにこれから先もう近づかないで」 「!」 「ひかるにはうまく言うから、だからもうひかるには近づかないで」 ベソを掻きながらりおさんが一階のテラスを出ていく。 ―――ひかるにはもう近づかないで。 まるで死刑宣告のように胸に刺さった。