岸壁に繋がれたロープがピンと張る。 ひかるちゃんがされたように冷たい潮水に晒され凍える姿。 波を被る度に呼吸ができなくなり肺に辛い水が入り込み噎せる。 どんなに冷たいか。 どんなに苦しいか。 助けを呼べないままの絶望を思い知ればいい。 ひかるちゃんが味わった痛みや悲しみを地獄まで持っていくがいい。 ただじゃ殺らせない。 浮き沈みする姿を若と2人で冷えた目で眺める。 ―――もうすぐ夜が明ける その時にはすべてが終わっている。 何もかも。 すべて。