｢でも榊さんがねえ｣


｢わたしだって若のお相手してばかりじゃまずいでしょう｣


｢榊、なんだそりゃ？今の話だと俺とおまえが危ないような関係に聞こえる気もするが｣


皮肉で言ったら皮肉で返ってきて前広もハンドルを叩いて笑った。




その時、突然携帯が鳴った。


♪♪♪♪♪♪♪
♪♪♪♪♪♪♪



着信音は倖田來未の好きで好きで好きでだ。

ひかるちゃんからの着信に設定している。

切ろうかとも思ったが切る気にもなれなくてそのままに鳴らしておく。



｢出ないのか榊？｣

｢ひかるちゃんからなんです｣

｢だったら尚更出てやれよ。なんで出てやらないんだ｣



ポケットの中で鳴っていた携帯を若が取り出した。



｢ほら、出てやれよ｣


｢………｣



差し出された携帯を受け取り通話ボタンを押した。



｢もしもし、榊です｣


『龍神会を潰してさぞかし気分がいいだろうよ』


｢！！｣