バカ息子。
ヒグマのような大きな男が親父の隣で小さくなりすまなそうに頭を下げた。
「いいんです。彼女が無事でしたから」
暴走したひかるを止めてくれたのは元太の親父だ。
傷を負わせてしまったことも申し訳ない。
「頼りないバカ息子にはしっかりしたオンナが傍にいてくれるらしいしな」
ちら。
満足気に元太の隣を眼で指し示す。
「ですね。」
元太は傍らにいる吹田さんと仲良さげに何事かを話していた。
しっかりものの彼女とボンボンの息子。
なかなかお似合いのふたりだと思えた。
「いろいろ悪かったな」
「いえ、」
もう言葉はいらない。
ひかるがこの腕の中に戻りふたり何事もなかったようにここを出られるなら。
しっかりとひかるを包み込む。
「うちのバカが迷惑掛けたし、詫びといっちゃなんだが、これ持ってけ」



