「腱も切れておらんし大丈夫だし構わんでいい」
「でも、わたしのせいだから……ごめんなさい」
ひかるの声が上擦り震えた。
自分を助けようとしたことが結局は他人を巻き込んで傷つけたから。
ひかるにとってショックは大きい。
小刻みに震え続ける細い肩を傍らで支えた。
親父がそれを横目で見てニッと笑う。
「手当てなら、元太のオンナにしてもらうかな」
「え?」
元太と彼女が顔を見合わせる。
「血を見るのは苦手か?なら無理には頼まんが」
親父が試している。
元太のオンナを。
一瞬だけ目を細め、どう出るかと期待している。
期待に添えるオンナか、どうか、と。
「看させてください」
キリッ。
長い髪を一纏めにしてバックに入れていたハンカチで縛り、救急箱と使ってないタオルを持って来てもらい腕捲りした。
奥で手を洗いヒグマの親父が座ったソファーの前にしゃがみこむ。



