「親父、頼むから考え直してくれ」
元太が腕組みしたまま微動だにしない親父に食い付いた。
それでも無言を貫いたままだ。
「親父!」
喚いても口をへの字に結んだまま。
「どうぞ。」
奥の間からさっきの壮年の男が手にしてきたのはこの世界で使うエンコ詰めに使う代物だ。
恭しく差し出されて、それを受け取ろうとして。
「―――そんな勝手なことさせないんだから!」
振り向き様にひかるが壮年の男の手からサッと奪い取った。
ギラリと光る抜き身を持ち静かに自分の指に当てる。
「わたしのでも構わないでしょ?」
「よせ!」
―――よせ!!
躊躇いもなく光る刃を真横に引いた。
すべてがスローモーション。
コマ送りをしているようにひかるの艶やかな髪が流れるのを見つめる。



