「邪魔は許しません。吹田さん行きましょう」
彼女の手を引き奥の間へ入りかけて、前から数人の男が竹刀を持って歩いてきた。
「吹田さん、後ろに」
「榊さん、後ろにあの人がっ!」
崩れ落ちたはずの榊原が脚を引き摺りながら立ち上がりすぐ後ろまで迫っていた。
前からも後ろからも。
多勢に無勢ではふたり殺られてしまうだけだ。
「……ひかる」
ここで負けるわけにはいかない。
なんとしてでもひかるの元へ。
「榊、久々に熱くなった」
「?」
身構えた自分を無視して脇を通りすぎ、榊原が奥から出てくる竹刀を持った男たちに対峙した。
「榊原がふたり?」
「違う、ひとりは偽物か?」「いや、どちらも偽物に違いない。榊原ならば親父に歯向かうことはないはずだ」
奥から出てきた数人が戸惑いを隠せないまま榊原と自分を見比べている。



