「榊さん大丈夫ですか!」
「わたしは大丈夫です」
肩は少しずつ動かせるようになった。
折れたわけでもない。
ヒビも入ってはいないようだ。痺れは残ってるが時間が解決をしてくれる。
「ひかる…」
傍にいた彼女の心配そうな眼差しにひかるの幻が浮かんでは消えた。
ここを抜け、屋敷奥へ行けばひかるを救い出せる。
若いヤクザな息子の見合いをぶち壊すために用意された身代わりの娘。
ごり押しする見合いを勧める父に何か危害でも加えられたら…。
そう考えると胸が張り裂けそうだ。
ぎり。
奥歯を噛み締める。
―――もう容赦しない
「さかきばらあっ!!!」
咆哮を上げて構えた右腕と回し蹴りで榊原の胸と左脚を捉えた。
ピキッ
はっきりと音がして榊原が胸を抱えてくずおれる。



