「お母さんにプレゼントあるの、オルゴール付き宝石箱でしょ。
お父さんにはグラスなの。
それからね。見て。
榊さんのタキシード姿素敵でしょ?」
ひかるの両親のいるアパートに一旦戻り、プレゼントを手渡して初めての函館観光がどんなに楽しかったかを興奮して話している。
出来上がった写真を自慢げに広げている。
「あら。ひかるだって可愛いく写ってるじゃない」
「わたしはどうでもいいの!榊さんを見てよ。すごく素敵でしょ?」
旧函館区公会堂で撮ってもらった写真は予想以上に綺麗に撮れてて、ひかるがとても喜んでいた。
「榊さんってこのバイオリンを弾いたんだよ。すごかったの!」
ひかるの話にお義母さんも目を細めて話に聞き入って本当に嬉しそうだった。
「夕方にまた車をお借りしたいんですがいいですか?」
ひととおり話が済み、ひかるを連れ出したいところがあると話すと、二つ返事が帰ってきた。



