濡れたままのひかるがぴったりと傍に寄り添い肩の傷へとくちづけた。
「今度はわたしが守るから。絶対、榊さんを危険な目になんて遇わせないから」
すがり付いて泣くひかるの髪をすきただ壊れるくらいに抱きすくめる。
「泣かないでください。ひかるの涙には弱いから」
「だって、」
「ひかるの目が真っ赤ですよ」
「だって、」
「これ以上泣いたら襲いますよ」
濡れて髪から滴る透明な雫を頬から払いくちづける。
「……いいもん」
「今のは冗談ですよ」
「いいもん、榊さんなら」
「……傷が痛むでしょう」
「こんなの傷に入らないもん」
「まだ処置もしてないのに……ダメです」
言葉とは裏腹にひかるに張り付いたワンピースの紐を肩から外し、薄手のシャツのボタンを抜いた。
「……いいんですね?抱きますよ。遠慮はしません」



