『誰もが許さないって言ってもわたしは許すから』 だから。 『自分を責めないで』 パリン パリンパリン 胸のどこかでガラスが割れるような音がして体が軽くなる。 泣いてるつもりがないのに鼻の奥から苦しさと同時に込み上げてくるものがある。 「…っ、」 『許すから』 誰かに言って欲しかった。 いつか誰かに言って欲しかった。 もういない妹には永遠に言ってもらえない。だから、諦めていたのに――― それを。 若の大事なひとがあっさりと告げてくれた。