「ひかる、コーヒーを買ってきてくれますか」

「え?」

「少し一也と話がしたいんです」

「え?うん」


戸惑い目を泳がすひかるを病室から出すと一也の横の椅子に腰かけた。


「ひかるにこの間は告白してなかったんですね」

「、」

一也が苦しげに息を飲んだ。



「ひかるはわたしのものです」


一也に現実を突きつける。

ひかるを二度抱いたのは自分だ。

誰にも渡すつもりもない。


「わかってます」

一也が目を伏せる。

「榊さん、もう少しだけ時間をください。そうすれば、」



諦めるには時間が必要。


「ひかるが大事ですか?命を掛けて守るほど」

「………」

「わたしから盗りたいと思いますか?」

「………」


一也が何も答えず顔を上げた。



「なら、早く元気になってひかるに好きだと堂々と告げてください。
ひかるが心配してる」