名を呼べば切なくて胸が苦しくてそれでも気持ちは高ぶる。 「ひかる」 呼び捨てにするのはこれが最初だ。 「ん、」 甘い香りが髪からする。 甘い吐息に全身の血液が逆流する。 指に反応してピクピクと体が跳ねる。 「あっ、」 少しだけ深く。 少しだけ押し広げる。 時間を掛けて硬さを逃していく。 痛みでひかるちゃんが苦しまないように――― 「ひかる」 「……さ、さかきさん」