震えて身を寄せてくる。
墓石が立っている中を歩んでいくと読経が流れて、ボサボサの白髪の婆さんが現れた。
ビクッ
ひかるちゃんの体が跳ねた。
「さ、榊さん、こわ、い」
「そばにいますよ」
「うん」
白髪の婆さんの横を通りすぎる瞬間にひかるちゃんが短い悲鳴をあげた。
婆さんに浴衣の裾を掴まれたからだ。
「ただのイタズラですよ。心配ありません」
「う、うん」
足が縺れそうになってるひかるちゃんを支えてお化け屋敷の中を歩いてく。
ひかるちゃんの心臓の音が直接響くくらい密着していて、もっと近づきたい、もっと寄り添いたい、もっと…そんな気持ちになった。
普段とは違う色っぽい格好だからか。
「…ひかるちゃん、抱き締めていいですか」
前の客の悲鳴は聞こえなくなっていた。
自分たちの後にも誰も入ってきていないらしい。
お化け屋敷の中は思ったよりも静かに思えた。



