視聴覚室の隅にあったひかるちゃんのカバンを拾い振り向かずに廊下へ出た。
「…ん、」
ひかるちゃんが身動ぎして瞼が震えた。
「大丈夫ですよ。わたしがいます」
その言葉に安心したのか胸にキュッとしがみつき穏やかな表情をした。
さっき見た白い顔ではない。
赤みが差してきて穏やかに眠っているだけの顔になる。
ひかるちゃんを見ていたら守れたことが素直に嬉しかった。
校舎を出て車の助手席にそっと寝かせる。
カバンを後部座席に置き、運転席に座って若佐のカメラを覗いた。
もしかしたら酷い姿が映っているのかもしれないと一瞬思ったりもしたが、それに収まっていたのはカメラに向かって同級生たちと笑い合っていた修学旅行の時のものだった。
明らかにひかるちゃんを狙ってカメラを回している。
無邪気に笑って決めポーズをしている。



