「里桜はね、お兄ちゃんのお嫁さんになるの!」



父の再婚したひとの連れ子で里桜とは年が五つ離れてたが本当の兄弟のように仲がよかった。

普段仕事で忙しい父や母に代わり学校から帰るとふたりで近くの公園に散歩に出掛けるのが日課だった。


あの夏の日も公園でふたりで過ごす。



「お兄ちゃんにはな、かわいい彼女が出来たんだ」

「かのじょ?かのじょってボーイフレンドのこと??」

「違うよ、それを言うならガールフレンドだよ」

「ガールフレンド?」


小学生の里桜は意味がよくわかってない。
ボーイフレンドとガールフレンドの区別もわかってない。

だけど無条件に可愛い。

真剣に聞いているクリクリした眼がじっと見上げている。


「里桜は家族だけど、その次に可愛いなって思ってる子のことだよ」

「里桜よりも?」

「違う、里桜の次だよ」