「…わたしで、いいの?」


「ひかるちゃんがいいんです」


「わたし、…お姉ちゃんじゃないよ…」



ひかるちゃんの瞳が悲しげに揺れた。



「りおさんは初恋です」


「はつこい?」


そう。初恋。

初めから叶わぬ恋だったと自分でもわかってた。




「…ひかるちゃんがいいんです」


真っ直ぐに光が届いたのはひかるちゃんが心の窓を開けてくれたからだ。




「ひかるちゃんが好きです」

「…いいの?わたしが側にいても」

「ええ、もう離しません」

「榊さん…」



ギュッ



ひかるちゃんを失うかもしれない焦りはずっと胸の奥にあった。

素知らぬ振りをして、欲しいと思うひとをもう少しで失うところだった。



「ひかるちゃんが好きですよ」


「…榊さん」