相思相愛~彼方という存在~



『おかーさんっ、おしょーゆ買ってきたよ!!それでねっ、おじちゃんが飴ちゃんくれ・・・』

言葉が続かなかった・・・

『おかーさん?ねぇ、おかーさんっ!!』

目の前に広がる光景・・・

『おかーさんっ!!おかーさんっ!!!』

信じたくなかった。

部屋の中は荒らされていて、窓ガラスも割れていた・・・

そして、床には真っ赤な血の海の上に横たわっている、おかーさん・・・

『なんでっ・・・どうしてっ・・・おかーさんっ!!おかーさんっ!!』

いくら声を掛けても、いくら体を揺すっても、返事は返ってこない・・・

自分の手が、服が・・・赤く染まる・・・

『だ・・・だれか・・・よ・・・呼ばな・・・くちゃ・・・っ』

私は走って、走って、走って・・・

足が千切れそうな感覚になっても、走り続けた。