「オマエ、ちょっとこっち来い。」







そう言っていきなりイブキに腕を取られて、帰り道とは別の道を進みだす。



「は?ちょっと、どこ行く気よ?」



尋ねても答えはなく。





繋がれた・・・というか、掴まれた腕に何故か胸がざわついた。



あの映画館の時みたいで。








って、何でイブキに掴まれてるくらいでドキマギしてんの、アタシは。


自分の感覚に人知れず動揺しているとイブキが「ん」と言ったから我に帰る。








道路の向かいにある喧騒に、目を見開いた。