「ルシフェル……」
「まあ、そうキリキリするな。お前の言うことも正しかろう。だが、俺の言うこともあながち間違ってはいないと思うぞ。忘れたか?」
「何をです?」
「神は……父上は。俺らも人間も、自分に似せて創ったって事さ」
「……っ。それは……」
ルシフェルの言葉にミカエルは返す言葉を見失う。
確かにそれは真実。
その昔、遥か遠い過去。
全ての父なる神は、自分に似せて子を創った。
過去の反逆により黒く染まってしまったルシフェル達悪魔も、元はミカエルと同じく天の使い。
その天の使いも、そして……人間も。
神が自らを模して創り出したもの。
実際、人と天の使いはよく似ている。
姿、形も。
思考し、感情を持ち、泣き、笑い、怒り、喜ぶ。
他に命を与えられた木々や動物とは遥かに違う、世界と呼ぶもの全体の中での割合からすれば特異とも言える存在。
「一番情が深いのは父上自身じゃないのかね?」
鳥が笑う。