魂を扱う責任を負い、規律に厳しく従う立場にあるというミカエル様。
マリアさんのことを大罪を犯したと言い。
ルシフェル様のことを甘い甘いと愚痴りながらも……。
それでもミカエル様は、ルシフェル様やマリアさんのしたことを心底毛嫌いしているわけではない気がする。
そうだ。きっとミカエル様も本当は情が深いのだ。
だからマリアさんの罪が軽くなるよう天使庁で引き受けたのではないか――
天界のことはよくわからない。天使や悪魔の事情も、説明を聞いたといったからといって全て理解できるわけじゃない。
そもそも自分自身の身に起きたこととはいえ、まだどこか。
これは夢なんじゃないだろうか?
今日起きた出来事は、僕の頭の中だけで起こった妄想のようなものに過ぎないのではないだろうか?
そんな、ふわふわとして現実感のない感覚を覚えている自分がいる。
それでも、きっと。
そうなんじゃないかなと――